メディ本優一の手記

医学生 松本優一が、空白の2年間を経て帰ってきた!ミッシングリンクを埋めるべく彼は何を語るのか...?※毎日更新

【爆・勉強法:Anki③】ひと工夫しよう

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メディ本優一の手記

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毎日こなすべきAnkiを少しでも楽にすべく、いくつかのテクニックを活用してみましょう。

 

 

①問題をわかりやすくする

当たり前のことかも知れませんが、医学系の問題など複雑な情報から問いを作る際には重要な点です。ワインの問題で例えてみましょう。

 

【分かりにくい問題の例】

Q:アルザスのワインの特徴は?

A:フランスだが単一品種のワインが多い。品種はリースリングやゲヴュルツトラミネールなどを用いる…

 

この問題形式は「アルザスのワイン」というキーワードからいかに情報を脳内検索して引き出せるかを試しています。口頭試問や記述問題など、質問(Q)に書いてある1の情報から回答(A)の中に10の情報を生み出す為には、必要な訓練です。

しかし、この手の問題の致命的な欠点は完璧を求めるが余り、1問1問がヘビーになりすぎるという点にあります。

毎日こなす上で問題1問あたりのコスト(時間、労力)は軽ければ軽いほど良いと考えています。少なくとも私にとっては、疲れている時にその1問目に踏み出せるかどうか、これがタスク完遂の鍵を握っていると言えるでしょう。

 

ですから先の例ならば、1つのQ:1→A:10問題を、いくつかの一問一答形式の問題に分割すると良いと思います。

 

【改変例】

Q:アルザスワインではブレンド・単一ワイン、どちらを多く作るか?

A:単一ワイン

 

Q:アルザスワインで主に用いられるブドウ品種は?

A:リースリングやゲヴュルツトラミネールなど

 

こうすると、1問の問題に感じる労力はかなり減少しますが、最終的に問われる知識量は変わりません。この改変における重要な点は、問い(Q)における情報量を1から2や3に増やし、答えへの結び付けを容易にしている点です。

「具体的に何が問われているか分からない」というのは回答者のモチベーションをかなり損ないます。作問の際には情報量Q:1→A:10の問題は避け、Q:2,3→A:5くらいの問題になるよう設定することをオススメします。

 

英単語のフラッシュカードとかはそもそもQ:1→A:2くらいですので、その意味では最も捗るでしょうね。

 

②穴埋め式にする

①のテクニックを前提とする応用的な作問方法です。覚えるべき知識が山ほどある時に大変有用なテクニックであり、知らず知らずのうちにこれを使っているAnkiユーザーも多く見受けられます。

 

方法は簡単です。例えば教科書で覚えたい箇所があれば…

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そのページや部分を写真で撮る📷

Ankiのフラッシュカード裏(答えの面)にその写真を貼る

今度はその写真における重要なキーワードや覚えたい箇所を部分的に塗りつぶしていく

墨塗り教科書と化した画像を、先のAnkiフラッシュカード表(問題の面)に貼る

出来上がり◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

【例】

Q:アルザスのワインでは◼️◼️ワインが多く、品種には◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️や◼️◼️◼️◼️◼️◼️が用いられる。

A:アルザスのワインでは単一ワインが多く、品種にはゲヴュルツトラミネールやリースリングが用いられる。

 

実はこの手法、友人が最初に使っていたのですが、私は半信半疑でした。何しろ恐ろしい数の墨塗り部分が1ページの中にあったので、「①問題を分かりやすくする」の原則に従って「ヘビー過ぎて続かないのではないか」と考えたからです。

 

しかし!

実はこの手法こそ①の原則に沿った、コスパ優良な作問方法なのです。理由はこんな感じ。

 

作問に費やす時間が圧倒的に短い

写真で撮って塗り潰すだけですから、キーボードで打ち込むより何倍も早く問題を作れます。塗り潰しはiPad proなどでApple pencil等を用いるとスムーズですね。

 

一問一答形式ではないが、文脈などから答えを推測出来る為、塗りつぶし箇所1個における労力が最軽量

最初の1回目は1ページの情報量の分、覚えるのが大変なのですが、2回目の復習以降からは、かなり早く解けるようになります。問題(Q)における情報量が多いので必然的にそうなるのです。


教科書などの画像を用いることで、画像記憶が形成される

「あの教科書のあのページのこの辺にこんな感じのこと書いてあったな〜」というアレです。実質的には、繰り返しその教科書のページを見ていることになるので、これも必然です。私の感覚ですが、キーボードで打ち込まれた問題では文字記憶、取り込まれた画像では画像記憶が作り出されているように感じます。

 

この手法は、5択の選択肢が存在する試験(医師国家試験含む)などでは大変な効力を発揮します。何故なら、そもそもあの手の試験は問題における情報量が多く、1から10を生み出す必要が毛ほども無いからです。更に言えば、問題だけでなく答えの選択肢も情報源ですから、レベルとしてはQ:7→A:8くらいかも知れません。

「教科書を何度も読め」式の詰め込み教育の究極系がこの塗り潰し穴埋め式でしょう。私も医学部生にはこの方法をオススメします。

 

しかし、些細とは言え幾つかのデメリットもあります。

◉塗り潰し範囲の大きさで文字数が推測されてしまう

→「◼️◼️だからブレンドは入らないでしょ。単一。」っていう感じですね。ここは理解で補うしかありません。

◉一箇所だけ間違えた時、そのカード全体を誤りとするか迷う

→私のやり方ですが、一箇所間違えた時には全体を誤りとし、次の復習時にその間違えた部分だけを確認することにしています。

◉Q1→A10系の問題には弱い

→さっきの穴埋め例を解いていても、「アルザスのワインの特徴は?」と大きく問われた場合には比較的弱くなるという事です。各々のゴールや受ける試験、目的に沿った作問が重要ですね。

 

さて今回は、作問に関する原則とオススメの方法を紹介しました。何かご意見、質問などございましたらコメント欄に突っ込んでおいてください。

 

次回は、更なる負荷軽減を求めて、Ankiのシステムに介入する簡単なテクニックをお話しできればと思います。

 

では。

 

第4回はこちら↓